みちのくひとりダム その3 南会津 ― 2012/05/12 09:57
世に言う黄金週間、特にやることのない私は復活した愛車でダム巡りの旅に出た。行き先は東北方面、日程は4月28日から5月5日の7泊8日間。同行者はいない、いつものことだ。
4月30日(3日目)
30日は郡山市から南下し、猪苗代湖の西側の南会津地方を経て会津若松市に至るルート。
12基目、須賀川市の阿武隈川水系江花川の藤沼ダム。灌漑用のアース式ダムだ。
ご承知の方も多いと思うが、平成23年3月11日の東日本大震災によって、決壊し犠牲者を出したダムだ。堤体へ至る道は通行止。
堤体の対岸の公園付近から撮影した。対岸に堤体があったはず。
地面がひび割れ、遊歩道が波打っている。ダム及び貯水池が修理されている様子はなかった。
満開の桜が寂しく感じた。
13基目、岩瀬郡天栄村、阿武隈川水系釈迦堂川の龍生ダム。治水と灌漑を目的とする福島県営の重力式コンクリートダム。下流面へは立ち入り禁止のロープが張られていたが、点検を委託されている方がいらしたので許可をいただき下に降りた。
下のほうから放流中でした。もう少し早い時期に来れば灌漑用に上からの放流が見れるそうだ。
傷んだ表面のコンクリートが風格を醸しだしている。
監査廊の入り口、牢屋のよう。。。
お会いした管理の方曰く、下流の住民はこのダムに感謝しているというような事をおっしゃっていた。山奥で密かに活躍する渋いダムだった。
14基目、岩瀬郡天栄村、阿賀野川水系鶴沼川の羽鳥ダム。堤高37.1Mで巨大な貯水池を有する東北農政局のアース式ダム。阿賀野川水系の水を分水嶺をこえて阿武隈川流域に送っている。東日本大震災で受けたダメージの復旧工事が行われていた。
波打った特殊な形状の自然越流式余水吐。越流シーンを見てみたいが工事中のためか水位は高くなかった。
車輌も通行可能な天端、『羽鳥土堰堤』の銘碑が渋い。
福島の穀倉地帯を支える巨大アース式ダム。早い復旧を望みます。
15基目、南会津郡下郷町、阿賀野川水系阿賀川の旭(あさひ)ダム。昭和電工㈱が所有する発電用の重力式コンクリートダム。雪融け水を放流中。
1935年竣工の古いダムで、堤体にも傷みが目立つ。訪問時、左岸側が工事中であった。単なる補修か震災の影響かはわからなかった。
下流の橋から眺める。中心部しか見えない。真ん中のゲートはゲートに取り付けられた小さなゲートから放流している。
戦前に造られた風格あるダム、格好良い。
15基目、南会津郡下郷町、阿賀野川水系小野川の大内ダム。電源開発㈱(J-Power)が所有する発電用ロックフィルダム。次に訪れる大川ダムと揚水発電をおこなっており、この大内ダムが上池。
まるでロックフィルダムであることを隠すかのように、緑に覆われた堤体。ダムはダムらしくしてればいいのにとか思う。
貯水池は満水に近いが、越流はしていない。
堤体下は大内宿の駐車場から入っていける。すごい数の観光客が押し寄せていて駐車場では交通整理がされていた。ダムを見たいから通して欲しいと言ったら怪訝そうな顔をされた。
このダム(J-Powerのダムの多く)は最近、ダムカードを配布しはじめた。配布場所がわからないとTwitterでつぶやいたら、ダムマニアの方が教えてくれた。ダムマニアには親切な方が多いのだ。
16基目、南会津郡下郷町、阿賀野川水系阿賀川の大川ダム。北陸地方整備局直轄の多目的ダム。重力式コンクリートとロックフィルの複合ダムだ。流石は阿賀野川本流を守るダム、とにかくデカイと感じた。下からは収まりきらない堤体。
上流部右岸から眺める。右岸側がロックフィル、中央から左岸にかけて「く」の字に折れ曲がった重力式の堤体。
天端は自動車は交互通行、歩行者は通行可能。堤体下部から放流しているのがわずかに見える。
減勢工がこれまた格好よい。直角に折れ曲がっている。
減勢工に架かる橋の上から、間近でみる凄い勢いの放流は大迫力だ。
ダム周辺は公園になっていて、1日ゆっくり過ごしても飽きないと思う。
17基目、大沼郡会津美里町、阿賀野川水系氷玉川の栃沢(とちざわ)ダム。福島県営の灌漑用アース式ダム。
天端はお約束の立入禁止。
自然越流式の余水吐から越流中でした。
綺麗に整備されたダムなのに、立入禁止が残念。
18基目、会津若松市、阿賀野川水系湯川の東山ダム。福島県営の多目的ダム。下流は人気の温泉街。
貯水池側から堤体を眺める。自然越流式の非常用洪水吐が並ぶ自治体型ダム。
天端は自動車は一方通行、歩行者通行可能。放流を眺める。
下流側からの撮るのを忘れてました。右岸下流に撮れそうな場所があったのだが。。。
3日目のダム廻りはこれにて終了。会津若松駅前に宿泊。
いわき、郡山、会津若松、、、福島って群馬より都会!?
B.B.'69
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